或る世界

一回ぶん高いねじ

頭がそろっても金属板の端だけが浮く

小さな金属板を留める二本のねじを、一本ずつ緩めた。頭の大きさも色も同じに見えたので、外した順に白い紙へ置く。二本目が横へ倒れ、一方の軸だけがわずかに長いと分かった。

金属板を戻し、長い方を手前の穴へ入れる。ねじ回しを二度回すと抵抗が増えたが、頭は板より少し高い。もう半回転させると板の手前だけが沈み、反対の端が持ち上がった。指を離せば、薄い板が小さく上下する。

強く締めれば平らになりそうだった。それでも一度戻し、二本を入れ替える。短い方は手前の穴へ一回転多く入り、頭が板の面まで下がった。奥の穴では長い方が同じ高さに収まり、板の四辺がいっせいに動かなくなる。

外す前には、二つの頭は同じ面へ並んでいた。軸の違いは内部へ隠れ、正しい穴に入ったときにも見えない。間違えたときだけ、ねじの高さではなく、押さえられるはずの板の傾きとして外へ現れた。

念のため二本をもう一度緩め、磁石の付いたねじ回しで同時に持ち上げる。短い方が先に外れて長い方の頭へ付き、二本は縦につながった。指で分けて紙へ寝かせると、長い軸の先だけが短い方の影から出ている。