箱の角を追う帯

台紙の端で、横向きの紙帯へ鋏を入れた。乾いた音とともに二つの切り口が浮いたが、白い箱は台紙から離れない。直角に交わっていたもう一本は、箱の中央を押さえたままだ。
切れた帯を左右へ開き、手前の角へ指を掛ける。箱を持ち上げるにつれ、残った帯は上面の中央から角へ滑った。まっすぐだった褐色の線が斜めになり、持ち上がった側では緩む一方、反対側の角へ深く食い込む。
そのまま引けば抜けそうなのに、力を加えるほど箱は斜めに止まった。いったん台紙へ戻し、帯の下へ人差し指を差し込む。指の背で帯を浮かせ、もう一方の手で箱を横へ送る。褐色の線は上面を横切る位置から動かず、白い箱の方だけが少しずつずれていく。
箱の端が帯へ近づくと、指先に掛かる張りが強くなった。上面にあった帯は角へ達し、そこから側面へ回り込む。箱は横へ動いているのに、押さえられる場所は上から下へ移る。角を越えた帯が、今度は箱を台紙の縁へ引き戻した。
親指で箱を支え、人差し指だけを帯から抜く。空いた帯は側面を滑り、最後の角の下へ入り込んだ。そこを越えるまで箱はまだ台紙とつながっている。手首を少し返すと、紙が底を擦って短く鳴り、白い箱が掌へ落ちた。帯はようやく台紙へ戻り、切れた一本の端だけが箱の跡へ重なる。