折り目の向こうの赤

白い紙の端を赤い光の前へ差し出した。端子の奥を覗いていたときには小さな点だった光が、紙の上では角の丸い四角になる。紙を近づけると色は濃くなり、輪郭も指先より小さく縮んでいく。
光そのものを見ようとすれば、見えるのは暗い穴の奥にある一点だけだ。けれど何かに受け止めさせると、離れていた面の広さや傾きまで一緒に現れる。紙を遠ざけるほど赤い四角は広がったが、中央の明るさは薄くなった。
紙の中央に折り目をつけ、浅い山を端子へ向ける。赤い四角は頂点で二つに分かれ、左右の斜面へ細長く伸びた。右側だけを奥へ押すと、そちらの赤は小さく濃くなり、手前へ残した左側は広くぼやける。一つの穴から出た光が、紙の角度によって別々の距離を持った。
折り目を平らに戻しても、紙には赤い跡が残らない。どこまで光が届いたかを示すのは、受けている間の色だけである。鉛筆で輪郭をなぞろうとすると、手の影が端子を覆い、四角が先に消えてしまう。
紙を机へ置き、今度は端子を少しだけ持ち上げた。赤い光は紙の縁から外れ、木目の上へ淡く移る。白い面では四角だったものが、茶色の筋に重なると片側からほどけていく。端子の奥には、また指先ほどの赤い点だけが残っていた。