刷毛の先の一片

乾いた花の下へ白い紙を差し込み、いちばん細い刷毛で花弁の縁を撫でた。薄茶色の粉が紙へ落ち、その脇に少し大きな小片が一つ加わる。刷毛を止めても、小片は丸まった花弁とよく似た色をしていた。
埃だけを除けば、花は元の形に近づくはずだ。けれど紙の上に落ちたものを分けようとすると、どこまでが後から積もった埃で、どこからが保存していた花の一部なのか、境目が見つからない。小片を戻す場所も分からなかった。
別の花へ指を近づけ、触れずに息を吹く。茎が壁から離れて戻り、乾いた花弁同士が小さく鳴った。埃らしいものが光の中へ浮いたあと、また茶色い粒が紙へ落ちる。今度は落ちる瞬間を見ていたのに、もともと茎についていたものか、間に挟まっていたものかまでは分からない。
長く残すために乾かしたものは、掃除をしなくても埃に覆われ、掃除をしても少しずつ欠ける。何もしないことと手を入れることのどちらが形を保つのか、目の前の一回だけでは比べられなかった。刷毛を置き、紙を持ち上げずに残す。
しばらくすると、窓から入った弱い空気で粉だけが紙の端へ寄った。茶色い小片は動かない。その重さの違いだけが見え、どちらを花のそばへ戻すべきかは、まだ決まらなかった。