コルクの下の正面

細い容器を指先で四分の一ほど回すと、黒い二点の片方が見えなくなった。少し遅れて、もう一方も淡い曲面の向こうへ隠れる。形は変わっていないのに、こちらを向いていたものが急に背中を見せたようになった。
二点を目だと決めたのは、同じ高さに並んでいたからだろうか。容器の向きを戻せば、初めに消えた点が最後に現れ、また正面ができる。淡い形には前後を示す角もなく、二つの黒だけが見る側の立つ場所を決めていた。
栓は上にあり、小石らしいものを敷いた底は下にある。容器をどれほど回しても、この上下は動かない。ところが二点が隠れると、前だけがなくなる。上を向いたまま、どちらを向くか分からない形のままだ。
反対方向へも回した。今度は逆の点から先に隠れる。正面と背中の間には、片方だけが見える短い向きもあった。その位置で止めると、二点が正面を示していたのか、それともこちらが二点のある側を正面と呼んだのか、順序が分からなくなる。
正面へ戻し切らず、黒い点が一つだけ見える角度で机へ置いた。もう一つは淡い曲面の脇へ隠れている。しばらくして容器の位置を直すとき、理由もなく二点をこちらへ揃えてから手を離した。