三歩ぶん回る水の道

岸に沿って右へ三歩動くと、水面の明るい筋もこちらへ向きを替えた。雲の下にある遠い端はほとんど動かず、手前の端だけが新しい足元へ寄ってくる。まっすぐだった光は、斜めの道になった。
元の場所へ明るさを置いてくるつもりで、さらに歩く。けれど振り返っても、先ほどの位置からこちらまで光の跡が続いているわけではない。新しい立ち位置と空の明るい箇所を結ぶように、水面の細かな面が別の順番で光っていた。
一本の筋に見えても、同じ水が細長く輝き続けているのではないらしい。波の傾きがこちらへ光を返す短い瞬間だけ、離れた点どうしが縦に並ぶ。私が横へ動けば、別の点が選ばれ、先ほどまで明るかったところは暗い水へ戻る。
足を止めると、筋も一つの場所へ落ち着いたように見えた。ところが小さな波が通るたび、途中が切れ、すぐ隣でつながり直す。遠くから手前まで連続した道ではなく、途切れる場所を絶えず替えながら、一本に見える時間だけを作っている。
元の場所へ三歩戻った。光の筋はまた正面に近づいたが、最初に光っていた波はもう見分けられない。靴先の延長に橙色の点が一つ現れ、次の波で左へ消えた。