影が二つになる昼

卓上の灯りを消すと、窓の外は少しも暗くならなかった。当然のことなのに、部屋まで同じ明るさを保つと思っていた。ところが、すぐ横の柱から薄い橙色が消え、石の継ぎ目が急に遠くなった。
窓から入る光は強い。椅子の輪郭も、卓上の端も見えている。それでも、外から来る明るさは窓に近い面を選び、柱の内側や深いカーテンの襞までは均等に届かない。部屋全体が明るいという一言では、どこが見えているかまでは言えないらしい。
灯りを消したまま椅子の脚を見ると、影は窓と反対の方へ長く伸びていた。スイッチを入れれば、卓上灯の側にも短い影ができる。一つの脚から反対向きに二本が延び、重なった部分だけが濃く残った。
椅子へ座ると、窓はさらに明るく、柱はその手前で黒い面になった。外の木々は葉の重なりまで見えるのに、腕を置いた布の色は曖昧である。身体を少し前へ移すと、二本の影も床の模様の上で長さを変えた。
もう一度スイッチを入れた。橙色は柱の下から戻り、石の細かな凹凸を斜めに浮かせる。窓の景色は変わらない。卓上へ手を戻すと、指の影だけが外とは反対側へ短く伸びた。