或る世界

灯りと草の境目

夜の窓明かりと静かな道路脇の草

窓の灯りが高い建物に点々と並び、その手前では草が街灯を受けて明るくなっていた。柵の向こうには道路があり、足元には横断歩道の白が続く。人のために整えられた線のそばで、草だけが好きな方向へ伸びている。

都市の夜は、管理された明るさでできているように見える。信号、窓、道路、案内板。それぞれが役目を持ち、迷わず進めるように置かれている。けれど草が一本混じるだけで、その整い方の外側が見えてくる。すべてを整えきらないことが、場所に息をさせている。

毎日の予定も同じかもしれない。必要なことを並べ、時間を決め、できなかったことには印を付ける。それでも、予定に書かない時間が少しあるから、急な連絡に応じたり、遠回りを選んだりできる。隙間は怠けるためではなく、変わるために残しておく。

街灯の下で、草の先だけが風に揺れた。窓の灯りは動かず、二つの違いが夜を静かにしていた。

横断歩道を渡るとき、足元の白さが思ったより明るかった。