空を横切る群れ

明るい空を、たくさんの鳥が横切っていた。翼の角度も、進む向きも、少しずつ違う。それでも一羽ずつを追っているうちに、全体が一つの動きに見えてくる瞬間があった。
群れは、同じ形をそろえることではできていないらしい。前に出る鳥があり、遅れてついていく鳥があり、端で大きく旋回する鳥もいる。ばらばらに見える距離が、かえって互いの動きを邪魔しないための余白になる。
人と何かを進めるときも、全員が同じ速さで考える必要はない。早く返事をする人も、少し時間を置いてから言葉にする人もいる。意見がすぐ重ならないことを不安に思うより、それぞれが空いている場所を見ているのだと考えた方が、次の動きが自然になる。
鳥たちは、画面の外へ向かって散っていった。残った空は広く、さっきまでの騒がしさだけを薄く覚えていた。
見失ってからも、羽ばたきの方向だけが目に残っていた。あの空のどこかで、群れはまだ形を変えているのだろう。そう思う。