暗さの中の色

濃い雲の間から、橙色の光が何本も落ちていた。木の枝は黒い輪郭になり、建物の屋根も地面と同じ暗さへ沈んでいる。空だけが大きく動いているように見えたが、雲の重なりはすぐには変わらなかった。
夕方の空を見ていると、明るいところだけを追ってしまう。雲の切れ目、光の縁、急に赤くなった部分。しかし暗い雲がなければ、その明るさもどこにあるか分からない。空全体を明るくしない雲があるから、光は一部に集まり、こちらの目も同じ場所へ留まる。見えやすいものは、見えない部分によって形を与えられている。
しばらくすると、雲の下の方が紫に近くなった。さっきまで橙色だった場所は暗くなり、別の隙間が明るくなる。変化は大きく見えるが、空が何かを選び直しているわけではない。こちらの見る場所が、雲の動きに合わせて移されているだけだ。
木の間に残った光が細くなると、空の色は一つではなくなる。帰る時間を決めたのは明るさの終わりではなく、暗さの中にまだ残るいくつかの色だった。