或る世界

花束の中の順番

白い花の間から、淡い桃色の縁だけが現れた

花の束の中に、白や淡い桃色の丸い形が重なっていた。一輪だけを取り出そうとしても、隣の花びらがすぐ手前へ出る。水を含んだような艶のある部分と、影に沈む部分が、同じ花の中で小さく入れ替わっている。

花を近くで見ると、咲いた順番を知りたくなる。中心が開いたもの、端の方に残る蕾、少しだけ色の濃い部分。しかし束になった花は、順番を説明するより先に、互いの輪郭を支えている。一輪が傾けば隣の花びらが見え、白い花があるから淡い桃色の縁がはっきりする。重なりは何かを隠すだけではなく、それぞれを一人で立たせないための形にも見える。

光の方へ少し顔を寄せると、手前の花が後ろの花を覆った。見えなくなったものを確かめようとして角度を替えると、今度は別の花の中心が現れる。全部を同時に見ることはできないが、その不足があるから、花束の中を視線がゆっくり動く。

離れて見ると、束は一つの明るい塊に戻った。近くで数えた色や影は消えずに、全体の柔らかさの中へ残っていた。