或る世界

二つのグラスの間

二つのグラスは、同じ盆の上で別の光を受けた

黒い盆の上に、背の低いグラスが二つ並んでいた。白い層の上には透ける果物らしいものと、丸い白い菓子、濃い色の豆が置かれている。形は似ているのに、手前と奥では明るさも輪郭も少し違った。

同じものが二つあると、どちらから手を伸ばすか迷う。手前の方が近いから先に取る、と決めても、奥のグラスに入った色が気になり続ける。並んでいることは、同じであることを強めるだけではない。片方を見ているあいだに、もう片方が何を違えているかを知らせる。二つあるから、甘さや量の前に、置かれた距離そのものが一つの選択になる。

匙を手に取ると、持ち手の長さが盆の外へ少し出た。小さな器のための道具なのに、そこだけが全体の配置を越えている。食べ始める前の食卓には、まだ何も減っていない。けれど匙を動かせば、二つのうち一方の形が先に崩れ、残った一方の見え方も変わる。

しばらく見てから、手前のグラスへ匙を入れた。奥の一つはそのまま残り、待たされているのではなく、別の時間を持ち始めたように見えた。