或る世界

揺れを測る線

揺れる竿の奥で、橋だけが同じ形を保っていた

船の縁に並んだ竿は、空へ細い線を伸ばしていた。水面の揺れに合わせて先端だけがわずかに動き、橋の大きな形はその奥で動かずにいる。竿の間から見ると、水の広さは何本もの細い区画に分かれていた。

待つために竿を立てるとき、待っているものは水の下にある。それなのに目に入るのは、手元の糸や、竿先の小さな揺れや、遠くの橋ばかりだ。見えないものを待つ時間は、見えるものを数える時間へすぐ変わる。何も起きないと感じるのは、こちらが一つの変化だけを探しているからかもしれない。水面には波があり、船には細かな振動があり、隣の人は手元を直している。

風が少し強くなると、竿先の動きはさっきより読みにくくなった。揺れの中から特別な合図を取り出そうとしても、すべてが同じように見える。そこで橋の脚へ目を移すと、流れる水との違いがはっきりした。動くものだけを見続けるより、動かないものを一つ置いた方が、揺れの大きさを受け取れる。

手元へ戻ると、糸はまだ水の中に伸びていた。待つことは、答えが来るまで何もしないことではなく、変わり続ける周りの中で、どの揺れを見失わないかを決めることなのだと思った。