白い方から

匙の背で白いものをパンの中央へ置き、端へ向けてゆっくり押した。昨日は具の汁が耳まで近づいたが、今はまだ何も載っていない。白さだけが、柔らかい面の上を薄く広がる。
具を重ねるときのパンは、上から来る重さを受ける。端には、こぼれるものを留める役もできる。けれど先に白いものを塗ると、パンは何かを支える前に、表面の乾いたところと濡れるところを自分で分け始める。
端まで均一にしようとすると、匙は何度も往復する。少し手前で止めれば、耳の白さは残る。全部を覆わない方が、次に載るものの場所が見えてくることがあった。
匙を容器へ戻す。パンの上には白い線が、中央から端の手前まで続いていた。具を持ってくる前の皿で、その線だけが、まだ使われていない面を静かに区切っている。