四本目だけ

机の隅に置いた機器の後ろで、四本のアンテナがほぼ同じ高さに並んでいた。そのうち一つだけが壁へ近く、先端の黒い影を白い壁に落としている。ケーブルを抜かないよう、根元へ指を添えた。
少し動かすだけで、アンテナは別の方向を向く。見た目には、壁から離れた先端と、残った三本の列に小さな隙間ができるだけだった。画面の表示も、机の上の灯りも変わらない。何かが届く先は、ここからでは確かめられなかった。
それでも壁へ寄せたままにするより、こちらへ少し開いた方がよい気がした。根拠は形の中にはなく、壁の向こうにあるはずの部屋や、さらに離れた場所へ置かれる。手元では、一本の先端の角度しか変えられない。
指を離すと、アンテナはその角度で止まった。四本は同じ方を向かず、少しずつ空いた方へ伸びている。机へ戻る途中、壁に落ちていた細い影だけが、さっきより短くなっていた。