矢印の上の枝

白い壁の前で立ち止まると、枝の影が自転車の印を斜めに横切っていた。丸い線も細い車輪も、影のなかでは少し太く見えた。
壁に貼られた文字や矢印は、こちらへ向かう場所を変えない。けれど枝は、同じ面を通りながら、標識の縁から矢印の先へ形を移していく。読もうとして目を近づけると、黒い枝の方が先に視界へ入った。
影が印の外へ滑ると、自転車の線は急に細くなった。壁に残った小さなねじだけが、さっきまでと同じ位置で光っていた。

白い壁の前で立ち止まると、枝の影が自転車の印を斜めに横切っていた。丸い線も細い車輪も、影のなかでは少し太く見えた。
壁に貼られた文字や矢印は、こちらへ向かう場所を変えない。けれど枝は、同じ面を通りながら、標識の縁から矢印の先へ形を移していく。読もうとして目を近づけると、黒い枝の方が先に視界へ入った。
影が印の外へ滑ると、自転車の線は急に細くなった。壁に残った小さなねじだけが、さっきまでと同じ位置で光っていた。