或る世界

黄色の奥行き

遠くの黄色は一つに見えて、手前ではまだ蕾を残している

手前の茎を見ると、開いた花の下に、まだ硬い蕾がいくつも残っていた。黄色い花びらのあいだから、次の小さな塊が緑のまま上を向いている。

少し目を上げると、畑の奥は一面の黄色に見える。そこでは、どの茎に蕾があり、どの花が先に開いたかは分からない。細かな違いが遠くへ行くほど消え、同じ色だけが広がっている。

まとまって見えることは、同じ状態になったということではないらしい。近くでなら別々に数えられる途中が、距離によって一つの色へ重なる。遠くの黄色は完成した面ではなく、多くの開き方が見えなくなった形でもある。

風が通ると、手前の蕾と花が同じ方向へ揺れた。黄色の奥行きはほどけず、茎のあいだにだけ、緑の細い隙間が戻ってきた。