折り目のまま

紙の包みの端を外へ折ると、苺の下の淡いクリームが見えた。フォークを持つ前に、紙の折り目だけを指先で押さえた。
包みは、開いた瞬間に中身と別れるものだと思っていた。けれど封を解くことと、手から離すことのあいだには短い時間がある。菓子はもう見えているのに、端の紙はまだ指が直接触れない場所を残している。
見えることと、すぐ触れられることを、同じものにしていたのかもしれない。開くのは隠す仕組みをほどくだけで、その後どう近づくかまでは決めてくれない。包みを少しずつ外すあいだ、菓子の側には、まだ選ばれていない一口が残っている。
フォークで端を切ると、紙の折り目がわずかに戻った。皿の上には淡い跡がつき、開かれた包みだけが、次に指を置く場所を静かに示していた。