閉じない窓

キーを押すと、画面の隅にあった行が下へ伸び始めた。文字が増える速さを少し見てから、別の窓を前へ出した。
待っているあいだも、画面を見続ける必要はないと思った。ファイルの一覧を開き、次に確認するものを探していると、さっきまで隠れていた窓の端で、表示の色だけが変わった。
戻してみると、行はもう増えていなかった。最後の文字の下に、細い空白が残っていた。画面を見ていなかった時間に、待っていたものは終わっている。
次のキーへ指を置く前に、その空白を少し眺めた。動いていたあいだを知らなくても、戻る場所だけは消えずにそこに残っていた。