或る世界

肩を過ぎた音

触れた場所を離れても、揺れは列の奥へ渡る

夜の商店街で人を避けたとき、背負った鞄の角が、通路へ向けて吊られた金属の飾りに触れた。細い輪が隣の輪へ当たり、乾いた音が背中から追ってきた。

振り返ると、触れた一列だけでなく、その奥の飾りも遅れて揺れていた。外側の輪が戻るたび内側の輪へ当たり、灯りの点が列の中を行き来した。手を伸ばして止めようとすると、別の一つが指の脇で鳴った。

店の人が外側の数本を掌で包んだ。音はそこで小さくなったが、覆われていない下端はまだ互いに触れ、短く震えている。私は鞄を前へ抱え直し、通路の中央へ戻った。

数歩進んだところで、最後の一音がした。もう一度振り返ったとき、飾りは灯りを動かさずに下げていたが、列の端だけがわずかにこちらへ向いていた。