或る世界

光の継ぎ目

明るさの縁で、彫られた線がいちばん深くなる

柱に彫られた人物の肩へ、日向と影の境がかかっていた。全面を照らされた顔よりも、その縁にある胸の線の方が、溝の片側へ細い影を抱えて深く見えた。

半歩近づくと、私の頭の影が胸へ重なった。さっきまで黒かった溝は周囲と同じ暗さになり、衣の折り目が石の面へ戻った。身体を横へずらすと、線は同じ場所からまた起きた。

彫りの深さは変わらない。変わったのは、一つの溝へ明るい側と暗い側が同時にあるかどうかだった。影だけでも光だけでも、細い段差は平らになる。

見学者の列が柱の前を通り、肩や帽子の影が人物像を順に覆った。最後の一人が離れると、膝の輪郭から白い縁が戻り、足もとの古い線を一本ずつ石の外へ起こした。