二枚目までの風

水面から風が上がり、花柄のスカーフの長い端を持ち上げた。布は隣の肩へ一度触れ、背中へ戻った。橙色の方は首もとへ巻き込まれたまま動かなかった。
次の風では、花柄の端が先に横へ伸びた。少し遅れて橙色の小さな角が肩から外れ、頬の脇で短く震えた。同じ方向から来た風が、二枚を同時には動かさない。
一枚は背中へ長く余り、もう一枚は首の近くで折り重なっている。風の強さが同じでも、つかまる面の広さと結び目までの距離が違えば、持ち上がる時機も戻る場所もずれる。
二人がそれぞれ布へ手を添えると、花柄は背中へ、橙色は肩口へ収まった。水面に細かな波が増え、今度は二枚の端が持ち上がる前に、肩が少しだけ近づいた。