二つ目の覆い

黄金のマスクは、透明な展示ケースの内側にあった。顔を覆うために作られたものが、今度はガラスに覆われている。光と視線は通しても、こちらの息や指は届かない。
ギザでカフラー王のピラミッドを見上げると、頂近くに残った外装石は青空へむき出しになっていた。展示室の屋根も、その周囲を囲む透明な壁もない。風は斜面に当たり、砂は足もとを動いている。
物を守るには、それより少し大きな外側を置けばよい。箱へ入れ、屋根を架け、壁で囲う。しかし、ピラミッド全体をケースへ入れようとすれば、そのケースもまた景色になるほど大きくなり、さらに外側を必要とする。
守るものの大きさには、包む方法そのものを変えてしまう境があるらしい。マスクと私の間には一枚のガラスが置けた。ピラミッドと空の間には、視線を遮らずに全体を覆う面を思い浮かべることさえ難しい。
頂に残る滑らかな石へ目を細めた。風が頬を横切り、足もとの砂を少し動かした。同じ風は見上げた先まで届いているはずだが、そこへ手を添える透明な壁はどこにも見えなかった。