覆うための顔

黄金の顔を正面から見たあと、少し横へ移った。頬も鼻筋も、動いたのはこちらなのに同じ形のまま残り、黒く縁取られた目だけがこちらを追ったように見えた。
マスクは、もとの顔を覆うためのものだった。普段の仮面なら、目の位置には小さな穴があり、内側にいる人が外を見る。ところが、この目は石やガラスをはめ込んだ面で、奥へ通じる隙間がない。開いているように見えるのは、外側からだけだった。
誰が見るための目なのだろう。内側から展示室を見ることはなく、こちらが近づけば、こちらだけが黒い瞳を見る。顔を覆う金の面は視線を遮りながら、その同じ場所へ、閉じない目の形を置いている。
窓のような目と、蓋のような目があるらしい。一方は見る人のために向こう側を空け、もう一方は向こう側を閉じたまま、見る側へ眼差しの形だけを返す。黄金の顔では、隠すことと見せることが一枚の面から分かれなかった。
ケースの脇へ寄ると、金の頬に自分の影が薄く重なった。顔を近づけてもマスクの目は開いたままで、その奥にあるはずの暗がりだけは、ガラス越しにも見えなかった。