雲の連れはどれだ

窓の下に小さな雲があり、その斜め後ろの地上に黒い斑点があった。雲が作った影だと思い、二つを一組として目で追った。
飛行機が進むと、白い雲はすぐ翼の下へ入り、黒い方はまだ乾いた地表の上に残った。雲の方が窓に近いぶん窓枠を速く横切り、ひと続きだったはずの二つは間隔を広げて見える。
影なら、雲についていくはずである。ところが窓から見える動きには、雲自身の移動だけでなく、こちらが雲を追い越す速さも混ざっている。地上まで遠い影には、その追い越しが小さく現れる。同じ組でも、高さが違えば同じ速さには見えない。
では、先ほどの黒い斑点は本当にあの雲の影だったのだろうか。地面には似た暗がりがいくつもあり、白い雲も次々に窓へ入ってくる。離れたあとから組を戻す印は、どちらにもなかった。
次の雲が翼端へ近づいた。今度は影を先に決めず、白と黒が窓の別々の縁から消えるまで、二つの間の空いた地表を見続けた。