或る世界

まばたきの裏側

閉じた瞼の中で、白だけが少し遅れて消える

天井を見上げたまま、シャンデリアの中央へ目を置いた。小さな灯りを数えようとしたが、三つほど追ったところで隣の光とつながり、白い円に戻ってしまった。

眩しさに瞼を閉じると、暗くなるはずの内側へ、さっきの円だけが残った。装飾も個々の灯りもなく、輪郭のぼやけた白が一つ、目の動きについてくる。

目を開けて緑のガラスへ視線を移すと、白い丸も天井の端へついてきた。シャンデリアは頭上に残っているのに、その明るさだけが灯具から離れ、見る先へ先回りする。

首を下ろすと、残像は足もとの敷物まで滑った。二度まばたきをすると白い縁が欠け、三度目には消えた。見上げ直した青い天井には、灯りから離れて動く丸はもうなかった。