或る世界

白い継ぎ目

雲が通るたび、屋根の端だけ空へほどける

黒い格子へ分かれた映像壁では、花火が何枚ものパネルを渡っても、継ぎ目は最後まで残っていた。シェイク・ザーイド・グランド・モスクを見上げると、今度は白いドームの端が、背後の雲へ近づくところだけ薄くなっていた。

青空を背にした半球は、丸い輪郭をはっきり見せる。ところが白雲がその後ろを通ると、大理石の明るさと空の明るさが重なり、屋根の曲線が途中でほどける。建物と雲は触れていないのに、目には境が欠けて見えた。

映像壁では、別々の面が同じ色を受け取ることで一枚の像になった。それでも物理的な線は消えない。ここでは別々のものが何も受け渡さず、ただ同じ白さを持っただけで、間にあったはずの距離まで平らになる。

雲が右へ流れると、細くなっていた縁へ青が戻り、ドームは再び空から離れた。頂の金色の三日月だけは、白が重なったあいだも小さな針のように残り、屋根の終わりを示していた。