文字のとなりの日時計

青い蔓を目で追ったとき、線は隣の線へ紛れ、壁全体へ戻っていった。今度の壁には、角張った白い文字が浮き上がっている。曲がる場所は明瞭なのに、その先にある意味へは入れない。
読めない文字は、こちらへ何も渡さないのだろうか。言葉として見れば、私は入口に立ったままである。音も内容もわからず、どこで一つの語が終わるのかさえ知らない。
ところが、文字の脇には短い影ができていた。白い線が壁からどれほど前へ出ているか、光がどちらから来たかは、読むことができる。文字そのものより、文字が遮った光の方が、私には素直だった。
それは時刻を示すための仕掛けではない。それでも太陽の位置が変われば、影は角の反対側へ回り、長さを変えるだろう。変わらない文の隣で、読めるものだけが静かに書き替わっていく。
目を離す前、意味のない影が一画ずつ赤い壁へ重なった。青い線を見失った目は、白い文字を読めないまま、その隣にある小さな日時計だけを見ていた。