或る世界

青を見失う

ひとつを追う目が、壁の広さへほどけていく

青い蔓の一本を、目だけで追ってみる。花の脇を曲がり、白い線と交わり、隣の葉へ入ったところで、どれを見ていたのかわからなくなった。

同じ形が続いているのではない。似た花のあいだを別の茎が抜け、少し違う青がその隙間を埋めている。ひとつを選んだはずの視線は、次の模様へたやすく渡されてしまう。

入口らしい暗がりへ目を移し、もう一度壁へ戻る。今度は初めの一本を探さなかった。どこかを始点にしようとするたび、模様の方が、その先にも周りにも続いている。

近くで見ていた目が少しずつ離れると、見失った線まで青い面の中へ戻った。追うのをやめたところで、壁はようやく一枚になった。