或る世界

灯りを暗さで分ける

光を遮る細い影が、一つの明るさへ間隔を作る

暗い通路の灯りには、光を通さない細い桟が何本も並んでいた。明るくするための器具なのに、光源の前へわざわざ影を置いている。

部屋を照らすだけなら、覆いは透明な方がよさそうに思える。光を遮るものが少なければ、同じ一灯でも広い範囲へ届く。暗い材料は、灯りの働きを弱める障害になる。

ところが桟のあいだから光が漏れると、一つだった明るさは細い列へ分かれた。遮られた部分が暗い間隔を作り、その両側の光を別々の筋として見せる。もし全面が均一に光っていれば、どこまでが一つの明るさなのか、目は留まる場所を持たないだろう。

何かを見せるには、すべてを見せるより、一部を隠した方が輪郭を作れることがあるらしい。桟そのものは光らない。しかし光を途中で止めることで、通り抜けた場所の形を決めている。

奥の灯りにも同じ暗い筋が並んでいた。通路全体へ広がろうとする明るさは、器具を通るたび細く切り分けられる。影は灯りの外に追い出されず、その中へ規則正しく残っていた。