或る世界

百ミリリットルの何回

瓶の総量を、指示と計量が時間の単位へ分ける

瓶のラベルには百ミリリットルと書かれていた。それは中にある液体の総量を教えてくれる。しかし、目の前に何回分があるのかは、その数字だけではわからない。

一回に使う量が決まれば、同じ瓶は初めて複数の時刻へ分かれる。少量ずつなら多くの回数になり、量が違えば残る回数も変わる。容器の中には境目がなく、どこまでが一回目で、どこからが次なのかを目で見分けることはできない。

固い錠剤なら、個数が先に一回分を考える手掛かりになる。液体は全部がつながっているため、説明を確かめ、必要な量だけをその都度測る。計る動作が、瓶の中にはなかった小さな区切りを作る。

総量を知ることと、使い方を知ることは別らしい。百という正確な数字があっても、それを何度のいつへ分けるかは、別の情報なしには決まらない。

蓋を閉めると、残った液体はまた一つの暗い量へ戻った。けれど次に測る分まで消えたわけではない。まだ形のない何回かが、同じ瓶の中でつながったまま待っていた。