或る世界

半分がもう半分を連れてくる

見終えた片側が、反対側の続きを先に教える

タージ・マハルの正面を眺めていると、左側の小さなドームや窓を見たあと、右側に何があるかを確かめる前から想像できた。中央を境に、片側で覚えた形が反対側へもう一度現れる。

大きな建物を見るには、視線を端から端まで動かさなければならない。普通なら、左で見たものと右で見たものを別々に覚え、あとから全体へまとめる。しかし左右が同じ規則で作られていれば、最初の半分が、まだ見ていない半分の案内になる。

対称であることは、同じものが二つあるというだけではないらしい。見る側が一度覚えた順番を、反対向きに使い直せる仕組みでもある。外側から塔、低い屋根、大きなドームへ近づいた目は、中央を越えると、その順序を逆にたどって外側へ戻れる。

だからこそ、少し違うものがあればすぐ目に留まる。人の列や鳥の影は反対側に同じ形を持たず、整った建物の上をそのまま通り過ぎていく。正面を見終えたとき、覚えたのは二つの半分ではなかった。一つの半分と、それを折り返す規則だった。