門の下だけ街が細い

市場を歩いていると、店と人のあいだにあった道が、大きな門の下で一度だけ細くなった。左右から来た人は中央へ寄り、同じ暗がりを順番に抜けていく。
門は、こちら側と向こう側を分けるためのものだと思っていた。しかし街の途中に立つ門は、流れを止めず、その幅だけを変えている。広場に散っていた歩みを一つの穴へ集め、通り過ぎた人から再び別々の方向へ放す。
入口の前では、隣を歩いていた人との間隔が狭くなる。肩を避け、少し速度を落とし、前の背中に進み方を預ける。誰かが合図をしたわけではない。それでも石の輪郭が、人の流れを細い一本へ編み直す。
門を抜けると、露店も声もまた左右へ広がった。細くなったのは街そのものではなく、通過する短いあいだだけだったらしい。大きな建物は道を塞いでいるように見えながら、その中央に、街を途切れさせない幅を残していた。