火だけは揃わない

二人が同じ形の灯火を持ち上げると、腕の高さも、身体の向きも、ほとんど同じところで止まった。けれど、灯火の先にある炎だけは、同じ形にならない。一方は細く伸び、もう一方は横へ揺れ、そのたび煙の流れも変わった。
儀式の動きは、繰り返せるように整えられている。道具を持つ位置、腕を動かす順番、次の姿勢へ移る時機。二人が同じ手順を知っていれば、離れて立っていても一つの動きに見える。
しかし、火まで手順に従わせることはできない。燃料と芯を揃えても、わずかな風や灯火の傾きが、その瞬間の輪郭を変える。人が合わせられるのは、火を置く場所と、それを動かす時機までである。
揃えるとは、すべてを同じにすることではないのだろう。変わり続けるものを同じ型の中へ置き、違いを消さないまま一緒に進めることもできる。炎が別々に揺れるからといって、二人の動作がばらばらになるわけではない。
腕が次の位置へ下りると、二つの火はそれぞれ違う形でついてきた。人の動きには同じ順番があり、炎には同じにならない自由があった。その両方を含んで、一つの時間が進んでいた。