道が先に曲がる

工事中の線路のあいだに、細い板の道が延びていた。板は足を載せる場所を作ってくれるが、その上でどちらを向くかまでは決めない。歩く人は立ち止まり、振り返り、必要なら途中で外へ下りられる。
隣のレールも、車輪を載せる細長い道である。しかし二本の鉄は、重さを受けるだけではない。車輪を左右から一定の位置に保ち、曲線へ入れば、車体の向きまで少しずつ変えていく。
道は通る場所を示すものだと思っていた。けれど、足場になる道と、進む向きまで渡す道は同じではないらしい。板の上では、身体が次の一歩を決める。線路の上では、先に敷かれた二本の間隔と曲がり方が、車輪の次の位置を決めている。
自由に動けることが、いつも進みやすさになるとは限らない。向きを選べないからこそ、速い列車は一つの曲線を外れずに走れる。選択を車輪から取り上げ、その代わりに道の側へ預けている。
板道を歩く人は、曲がるレールから少しずつ離れた。二つの道は並んでいたが、一方は足もとだけを支え、もう一方は、まだ来ていない車輪の行き先まで先に曲げていた。