或る世界

外にある内側

隠さない仕組みは、故障したあとも手の近くにある

車の調子が悪いとき、まず蓋を開ける。閉じた外形を一度崩さなければ、どこが熱を持ち、どの管が外れたのかに手が届かない。

ところが、最初から機関を外へ出した車では、蓋を開けるという最初の動作が要らない。走るための内側が、泥や雨に近いところで、そのまま人の手にも近く置かれている。

仕組みを覆うことは、それを守ることだと思っていた。確かに、覆いは砂や水を遠ざけ、触れてはいけない部分から人を離す。しかし同時に、異音の場所や緩んだ部品も遠ざける。守られた機械は、壊れたときだけ専門の入口を求める。

むき出しの機関は、きれいな完成品には見えにくい。その代わり、油のにじみや外れた管があれば、外側から見つけられる。直せることまで含めて道具の役目なら、外形の滑らかさだけが完成ではないのだろう。

停まった車の前では、機関だけが荷台より複雑な輪郭を見せていた。隠されていない内側は、弱点をさらしているだけでなく、次に触れる手までの距離を短くしているようにも見えた。