或る世界

坂の中の平ら

大きな傾きを、小さな水平が少しずつ受け止める

斜面の畑を横切ると、遠くから一枚に見えた坂が、足もとでは細い段に分かれていた。一段の上では土がほぼ水平に続き、端まで行くと、次の段へ短く下りる。

坂を平らにするなら、高いところを削り、低いところを埋め、全体を一つの面へ直すものだと思っていた。しかし、大きな傾きを消さなくても、その途中へ小さな水平をいくつも置くことはできる。

一つの段だけを見れば、山の斜面にいることを忘れそうになる。そこでは足の左右が同じ高さにあり、物を置いてもすぐには転がらない。ところが端から見下ろせば、その平らは次の平らより少し高い。

全体の問題を一度に解かなければ、何も変わらないと思うことがある。だが、坂を坂のまま残しながら、立てる場所だけを順に作る方法もあるらしい。水平は広い平地の性質ではなく、傾きの途中へ細く差し込める形でもある。

段の縁を曲がるたび、さっきまで足もとだった平らが一段上へ移った。振り返ると、細い線は何本も重なり、また一つの大きな坂へ戻っていた。