数えられる高さ

白い塔が密集する場所では、足もとから数えようとしても、どこまでが一つなのかわからなくなった。手前の台座が奥の台座を隠し、白い曲線が別の白い曲線へ重なっている。
一つずつ確かめるなら、いちばん大きな部分を見るものだと思っていた。建物なら壁、木なら幹、人なら身体である。しかし、同じ形が重なると、大きな部分ほど互いを隠し、境目を失う。
そこで目を上へ移すと、金色の尖端だけは青空を背にして離れていた。低いところでは一続きに見えた集まりが、高いところでは一本ずつの輪郭を持つ。同じ塔でも、目で横切る高さによって、見える断面の幅が違っていた。
ものの数は、そのものだけを見ればわかるとは限らないらしい。混み合った場所では、どの高さを見るかによって、一つずつに戻れる場所が変わる。地面では隣と混ざり、空では離れる。同じ集まりの中に、数えにくい高さと数えやすい高さがある。
歩くと尖端の並びも少しずつ重なり、離れた。数は変わっていないはずなのに、見える一本の数は変わる。最後には数えるのをやめ、白い塔ではなく、そのあいだに細く残る青空を目でたどった。