名前より先の制服

通りの向こうから子供たちが来ると、一人ずつの名前を知るより先に、同じところへ通っている人たちだとわかった。白い上着と濃い色のスカートが、まだ知らない関係を先に教えてくれたからである。
制服は、着ている人を同じに見せる。しかし、同じにするのはごく一部でしかない。背負った鞄の色も、歩幅も、隣との間隔も違っている。
同じ服は、個人の違いを消すためだけにあるのではないのだろう。まだ会ったことのない人同士に、あの人もこちら側であるという、最小限の情報を渡す。名前を一人ずつ覚えなくても、集まる場所を間違えにくくする。
その一方で、制服が教えるのは所属までである。誰が急いでいるのか、誰が友人を待っているのか、どんな一日を過ごしたのかはわからない。多くを揃えて見せる服は、それ以上を勝手に揃えてはいけないという境目にもなる。
道を渡り終えた子供たちは、同じ方向へ歩いていった。後ろ姿には同じ色が並んでいた。それでも鞄は別々に揺れ、一人ずつ違うリズムで、木陰の方へ小さくなっていった。