同じ柱を追い越す

長い柱廊を歩くと、数歩進んでも景色があまり変わらなかった。同じ太さの柱が同じ間隔で続き、その先にもまた似た暗がりがある。立ち止まって振り返らなければ、どれほど進んだのかわかりにくい。
しかし、一本の柱へ近づき、その脇を抜けるたび、さっきまで前にあったものが背後へ移る。柱の形は同じでも、こちらとの関係は同じではない。まだ通っていない柱と、もう通った柱に分かれていく。
移動したことは、景色の変化で確かめるものだと思っていた。街角が替わり、見える建物が小さくなれば、出発点から離れたとわかる。ところが、反復する場所では、替わらない景色そのものが物差しになる。
同じものが続くと、どこにも着いていないように感じることがある。だが、変化がないことと、前進がないことは同じではない。似た形を一つずつ追い越した数が、目立たない距離として残っている。
廊下の端で振り返ると、同じ柱が反対の順に並んでいた。景色は出発したときとよく似ている。それでも、すべての柱がこちらの背後にあるという一つの違いだけで、歩いた距離は十分にわかった。