或る世界

青いごはんの手前

色は先に答えを出すが、舌は最後まで待っている

青いごはんを見ると、舌より先に頭が戸惑う。青は飲み物や菓子の色で、温かい食事の色ではないと思い込んでいるからだろう。香りを確かめる前から、甘いか冷たいか、どこか人工的ではないかと考えてしまう。

初めての土地で食べるものには、名前を知らない不安だけでなく、色に対する自分の古い決まりもついてくる。白い米なら塩気を、赤い汁なら辛さを、長いあいだの食事で勝手に覚えてきた。

ところが、色は味を決めない。ひと口食べれば、頭の中で先に作った答えは簡単に外れる。青い米が温かく、隣の汁が思ったより酸っぱければ、見た目から味へ伸びていた細い線はそこで切れる。

知らない料理に出会う面白さは、珍しいものを集めることだけではない。自分の舌が知らない味を覚える前に、目がどれほど勝手な予想をしていたかを知ることでもある。

次のひと口では、もう青さを考えなかった。色は最初に扉を作ったが、味はその向こうで、別の順番でこちらへ届いた。