入口だけが合う

見慣れない差込口の前では、こちらのプラグが急に間違った形に見える。別の場所では何の問題もなく使えた道具なのに、二本の刃の向きや丸みが違うだけで、入口へ届かない。
変換器を挟めば、形は合う。こちら側で受け取った二本の刃を、向こう側の穴に入る形へ置き換える。機械を作り直さなくても、入口までの短い距離だけをつないでくれる。
しかし、それで中を流れるものまで同じになるとは限らない。差し込めることと、正しく使えることは別である。変換器は、電圧の違いまで黙って引き受けてはくれない。
問題が一つ解けると、確認そのものを終えたくなる。入らなかったものが入るようになる変化は目に見えるが、電圧の数字は小さな表示を読まなければわからない。目立つ不一致が消えたために、見えにくい不一致まで消えたように感じてしまう。
変換器を一つ鞄へ入れた。小さな道具が約束しているのは、どこでも同じように使えることではない。まず、確かめるところまで進めることだった。