或る世界

どちらの空

正しさのわからない朝にも、傘を選ぶしかない

朝にする判断の中で、傘を持つかどうかほど、夜にはっきり採点できるものも少ない。降れば持って出て正解で、降らなければ一日ぶんの荷物だったと思う。

出かける前、こういう空を見ると傘を持つべきか迷う。持って出て降らなければ、傘は一日ぶんの荷物になる。置いて出て降られれば、朝の判断を悔やむことになる。

天気予報には晴れ、曇り、雨という名前がある。しかし、実際の空は三つのどれかに、すぐ収まってくれない。太陽を隠しながら明るく、雨を含んでいるようで、まだ一滴も落とさない。

結局、折り畳み傘を鞄に入れた。正しかったかどうかは、夜までわからない。建物を出るとき、雲の奥の太陽は、さっきより少し丸く見えていた。