一皿の休み

午後、仕事の手を止める理由が見つからないときは、机の端に皿を置く。休憩の時刻を決めるより、一度フォークを持ってしまう方が、指をキーから離しやすい。
仕事をしている机で何かを食べるとき、私は机を食卓らしく整えたりはしない。紙を少し寄せ、手前に一皿ぶんの場所を作る。それだけで、さっきまでキーを打っていた場所が、十分ほど食事をする場所になる。
机は、そのあいだも仕事机の顔を失わない。黒い画面は消えず、ケーブルもつながったままである。しかし、フォークを持っている手ではキーを打てない。その小さな不自由が、仕事と休みの境を作ってくれる。
休むためには、仕事机から離れなければならないと思うことがある。だが、場所の役目は意外に狭い範囲で変わるらしい。皿を置き、果物を一つ食べる。机の上にできた休みは、皿を洗う頃には消えている。